「Excelで集計しようとしたら、どの関数を使えばいいかわからない」「関数は名前を聞いたことがあるけど、実際の使い方が自信ない」「毎回ネットで調べながら作業していて時間がかかる」——そんな経験はありませんか?
Excelの関数は数百種類ありますが、仕事で実際によく使うものは10〜15個程度に絞られます。その基本関数をしっかり使いこなせるだけで、毎日の業務スピードは大きく変わります。
この記事では、ビジネスの現場で特によく登場するExcel関数を10個、ゼロから丁寧に解説します。数式が苦手な方でも理解できるよう、すべて具体例付きで説明します。
まず知っておきたい「関数の基本ルール」
関数の個別解説に入る前に、Excelの関数に共通する基本ルールを押さえておきましょう。これを知っておくと、どの関数も同じ感覚で読めるようになります。
関数の基本構造:
=関数名(引数1, 引数2, ...)
- 必ず
=から始める - 関数名のあとに
()をつける ()の中に「何を計算するか」を指定する(これを引数と呼ぶ)- 引数が複数あるときは
,で区切る
セル範囲の指定方法:
A1 → A列1行目のセル1つ
A1:A10 → A1からA10までの縦10セル
A1:C1 → A1からC1までの横3セル
A1:C10 → A1からC10までの縦横の範囲
この基本を頭に入れておくだけで、以下の関数がぐっと読みやすくなります。
【集計・計算】基本の4関数
まずは最もよく使う、集計・計算系の関数4つから解説します。
① SUM関数:合計を出す
使い方:
=SUM(合計したいセル範囲)
具体例: A1〜A10に売上金額が入っているとき、合計を出すには:
=SUM(A1:A10)
個別のセルを足し算するより、範囲指定の方が断然速いです。離れたセルを合計したい場合は=SUM(A1,C1,E1)のようにカンマで区切って指定できます。
よく使う場面: 月次売上の合計、経費の総額、アンケートの回答数の集計など。
② AVERAGE関数:平均を出す
使い方:
=AVERAGE(平均を出したいセル範囲)
具体例: B1〜B10のテスト点数の平均を出すには:
=AVERAGE(B1:B10)
よく使う場面: 月次売上の平均、アンケートの平均評価、目標達成率の平均など。
③ COUNT/COUNTA関数:件数を数える
数値の個数を数えるのがCOUNT、文字・数値を問わず入力済みセルの個数を数えるのがCOUNTAです。
使い方:
=COUNT(数えたいセル範囲) ← 数値のみカウント
=COUNTA(数えたいセル範囲) ← 文字・数値どちらもカウント
具体例: C列に社員名が入っている一覧から、登録人数を数えるには:
=COUNTA(C2:C100)
よく使う場面: 応募者数・対応件数のカウント、データ入力漏れのチェックなど。
④ ROUND関数:四捨五入する
使い方:
=ROUND(数値, 桁数)
桁数は「0」で小数点以下を四捨五入(整数に)、「1」で小数第1位まで残す、「-1」で10の位で四捨五入、という意味になります。
具体例: D1に「1234.567」という数値があるとき:
=ROUND(D1, 0) → 1235(整数に四捨五入)
=ROUND(D1, 1) → 1234.6(小数第1位まで)
=ROUND(D1, -2) → 1200(100の位で四捨五入)
よく使う場面: 金額計算の端数処理、消費税の計算、割合の表示など。
【条件分岐・集計】業務の幅が広がる3関数
次に、「条件に合う場合だけ処理する」系の関数を3つ解説します。これを使いこなせると、作業の自動化が大幅に進みます。
⑤ IF関数:条件によって表示を変える
使い方:
=IF(条件, 条件が真の場合の値, 条件が偽の場合の値)
具体例: E1に売上金額が入っていて、100万円以上なら「達成」、未満なら「未達」と表示するには:
=IF(E1>=1000000, "達成", "未達")
文字を表示したいときは""(ダブルクォーテーション)で囲むのがポイントです。
よく使う場面: 目標達成判定、合否判定、在庫の「あり/なし」表示など。
⑥ SUMIF関数:条件に合うものだけ合計する
使い方:
=SUMIF(条件の範囲, 条件, 合計する範囲)
具体例: A列に担当者名、B列に売上金額が入っている表で、「田中」さんの売上合計だけを出すには:
=SUMIF(A2:A100, "田中", B2:B100)
部署別・商品別・担当者別など、特定の条件で絞った合計を出したいときに非常に便利です。
よく使う場面: 担当者別売上集計、カテゴリ別経費集計、特定期間のデータ合計など。
⑦ COUNTIF関数:条件に合うものだけ数える
使い方:
=COUNTIF(条件の範囲, 条件)
具体例: C列にアンケートの満足度(「満足」「普通」「不満」)が入っているとき、「満足」の件数だけ数えるには:
=COUNTIF(C2:C200, "満足")
よく使う場面: アンケート集計、特定ステータスの件数カウント、重複チェックなど。
【データ検索】これを知ると作業が激変する2関数
Excelで「別の表からデータを引っ張ってくる」場面は多く、この操作を手作業でやっていると膨大な時間がかかります。次の2つの関数を使えば一瞬で解決します。
⑧ VLOOKUP関数:縦方向に検索してデータを取得する
使い方:
=VLOOKUP(検索値, 検索範囲, 列番号, 検索方法)
- 検索値:探したいキー(社員IDや商品コードなど)
- 検索範囲:検索する表全体
- 列番号:検索範囲の左から何列目のデータを取得するか
- 検索方法:完全一致の場合は
FALSE(基本的に常にFALSEでOK)
具体例: F列に商品コード、G列に商品名、H列に単価が入った商品マスタがあるとします。別シートのA1に入力した商品コードから単価を取得するには:
=VLOOKUP(A1, F:H, 3, FALSE)
「F列〜H列の中でA1の値を探し、3列目(H列=単価)を返す」という意味です。
よく使う場面: 社員マスタから名前・部署を引っ張る、商品コードから単価を取得する、顧客IDから顧客情報を参照するなど。
⑨ IFERROR関数:エラーを非表示にする
VLOOKUPなどで検索値が見つからないと#N/Aというエラーが表示されます。これをきれいに処理するのがIFERROR関数です。
使い方:
=IFERROR(値, エラーのときに表示する値)
具体例: VLOOKUPのエラーを「-」に置き換えるには:
=IFERROR(VLOOKUP(A1, F:H, 3, FALSE), "-")
よく使う場面: VLOOKUP・INDEX/MATCHなどのエラー処理、データ不備があるときの表示対応など。
【文字列操作】地味だけど便利な1関数
⑩ CONCATENATE関数(または&演算子):文字列を結合する
使い方:
=CONCATENATE(文字列1, 文字列2, ...)
または
=A1&B1
具体例: A1に「田中」、B1に「太郎」が入っているとき、「田中太郎」と結合するには:
=A1&B1 → 田中太郎
=A1&" "&B1 → 田中 太郎(スペースを挟む場合)
姓と名が別セルになっているデータを結合したり、コードと名称を組み合わせてIDを作ったりするときに便利です。
よく使う場面: 氏名の結合、住所の結合(都道府県+市区町村)、コードと名称の組み合わせなど。
今日から使い始めるための3ステップ
関数を「知っている」だけでなく「使える」レベルにするための実践ステップを紹介します。
ステップ1:まずSUM・AVERAGE・IFの3つだけ覚える
関数を一度に全部覚えようとすると挫折しやすいです。まず「SUM(合計)」「AVERAGE(平均)」「IF(条件分岐)」の3つを、今日の仕事で実際に使ってみましょう。
ステップ2:困ったらVLOOKUPを試す
「別の表からデータを引っ張りたい」と思ったとき、まずVLOOKUPを思い出してください。最初は構文が難しく感じますが、3回使えば体で覚えられます。
ステップ3:Excelの「数式」タブを活用する
関数を入力するとき、=を入力してから関数名を少し打つと候補が表示されます。また「数式」タブ→「関数の挿入」から、引数の入力フォームが出てくるので、構文を覚えていなくても使えます。
まとめ:Excelの基本関数10個を使いこなすと仕事が変わる
この記事で紹介した関数を振り返りましょう。
| 関数名 | 用途 |
|---|---|
| SUM | 合計を出す |
| AVERAGE | 平均を出す |
| COUNT / COUNTA | 件数を数える |
| ROUND | 四捨五入する |
| IF | 条件によって表示を変える |
| SUMIF | 条件に合うものだけ合計する |
| COUNTIF | 条件に合うものだけ数える |
| VLOOKUP | 別の表からデータを取得する |
| IFERROR | エラーを非表示にする |
| CONCATENATE / & | 文字列を結合する |
これら10個の関数を使いこなすだけで、手作業でやっていた集計・検索・分類作業のほとんどが自動化できます。最初から全部覚える必要はありません。今日の仕事で使えそうなものを1つ試すことから始めてみてください。

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